商標・知財コラム:工藤 莞司 先生COLUMN

首都大学東京 法科大学院 元教授 元弁理士 工藤 莞司 先生

豊岡産杞柳細工と地域団体商標
=杞柳細工と黄門様=

最近テレビを観る時間が多くなった。水戸黄門もその一つで(BS6チャンネル再放送)、黄門様の漫遊記で楽しんでいる。最近の一話に、但馬豊岡へ行き、黄門様は当地名産の杞柳細工行李を巡る争いに巻き込まれてしまった。


地域団体商標 私には、豊岡は兵庫県かなとの程度の知識しかないが、地域団体商標を思い出し、調べると「豊岡杞柳細工」(とよおかきりゅうざいく 商標登録第5030662号)があった(商標権者兵庫県杞柳製品協同組合)。指定商品は、「兵庫県豊岡市及び周辺地域で生産された杞柳細工を施したこうり、兵庫県豊岡市及び周辺地域で生産された杞柳細工を施した柳・籐製のかご,兵庫県豊岡市及び周辺地域で生産された杞柳細工を施した柳・籐製の買い物かご」とあり、豊岡市及び周辺地域で生産された杞柳細工を施したこうり、かご等である。そして、「円山川に自生していたコリヤナギで籠を編むことから始まり、城下町を形成した豊臣時代、産業として形を整え、江戸時代に藩が保護奨励し専売制度を確立して世に知られるようになりました。コリヤナギと籐を用い、自然木の味わい、強靱でしなやかな風合い、柔らかさと粘りを活かしながら編み上げます。柳を麻糸で編む行李と籠があり、現在ではおしゃれな手提籠に草木染めした作品が多く作られます。」と説明されている(写真参照。地域団体商標一覧より)。やはり、杞柳細工行李はご当地の名産であった。豊臣時代からとあるから黄門様も出合ったのであろう。

この登録商標を巡る争いもある。他人が登録を受けた「豊岡柳」「Toyooka」(第5431098号)18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具」に対して、本件地域団体商標権者側が無効審判を請求した審決取消訴訟で、観念上の類似及び引用商標の周知性が認められて、商標法4条1項15号違反とされた(平成29年10月24日 知財高裁平成29年(行ケ)10094号)。地域団体商標の登録が周知性の認定に貢献している。

他方、豊岡滞在の黄門様も、最後は、印籠を取り出し、悪徳商人と悪家老を懲らしめ、一件落着して、一行は次の宿場(大聖寺)へ旅立った。

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