首都大学東京 法科大学院 元教授 元弁理士 工藤 莞司 先生
空港のネーミング事情雑感
=富山そして高山=
空港の名称には愛称が付された空港もある。羽田空港や成田空港にはないが、例えば、釧路空港は「たんちょう」が、岡山空港は「桃太郎」が、鳥取空港は「鳥取砂丘コナン」が、徳島空港は「阿波踊り」が、高知空港は「龍馬」がそれぞれ付されている。このようなネーミングは、地方空港の特徴のようである。
「富山高山すし空港」へ 最近のネット情報によれば、富山県は、富山空港の愛称をこれまでの「富山きときと空港」から「富山高山すし空港」へ変更と発表したとある。その理由は、訪日外国人観光客(インバウンド)の誘致強化が最大の目的という。「高山」:岐阜県高山市(飛騨高山)。訪日外国人観光客に人気の観光地で、富山空港からのアクセスも良好で、英語表記が「Takayama」と同じため、海外旅行者が事前検索(旅前検索)で富山空港をヒットさせやすくする効果を期待とあり、「すし」:富山県が力を入れる食のブランディング。富山湾の新鮮な海産物を活かした寿司文化を前面に押し出し、外国人観光客に「富山=寿司」のイメージを強く印象づけたいと説明されている。高山市は、富山の隣県岐阜の北部飛騨の中心都市で、朝市等で知られる歴史の街、観光都市で、潜在利用者へのインパクト効果狙いが窺える。
空港は、商標的には、役務の提供を受ける者の利用する場所でもあり、そして、空港の愛称は、広告的機能の発揮を期待したものであろう。新愛称「富山高山すし空港」にはそれを期待しているのである。我が故郷山形空港の愛称は「山形おいしい空港」で、広告的機能としては、インパクトはどうであろうか。ご当地名産のさくらんぼではない。JRの駅名はさくらんぼ東根である。
富山と高山 30数年前サービスマーク登録制度の説明会を全国各都道府県で行い、私は石川県と富山県を担当した。富山県の会場で、後半の17時前に会場の一人が突然立ち上がり、飛騨高山への最終列車時間が迫り退席するという。岐阜市より富山市の方が近いと聞いた。この度この話を思い出した。1992年5月のことであったと思う。以前「サービスマーク登録制度30周年記念改正作業から施行時の回顧と余録」に記していた(商標懇2022 No.120 p12)。
私は乗り鉄を楽しんでいるが、富山から高山間のJR高山線は未乗車である。そのうち機会があれば、是非乗り鉄し、近いことを確かめたい。特急で1時間30分程度と思う。




