商標・知財コラム

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弁理士法人レガート知財事務所 弁理士
峯 唯夫 先生

峯 唯夫 先生
峯 唯夫 先生
弁理士法人
レガート知財事務所
弁理士
略歴
1986年峯特許事務所開設、2011年特許業務法人レガート知財事務所に改組。
商標実務は「安全な使用」「ブランド価値の保護」の側面から、調査、使用方法の検討やアドバイスなどを含めたサービスを提供。
これまでに、商標委員会委員、特許委員会委員、意匠委員会委員(90年、13年委員長)、中央知的財産研究所研究員、新人研修講師(意匠担当)、
(財)知的財産研究所タイプフェイス委員会委員、特許庁意匠課「意匠ラウンドテーブル」委員、(財)生活用品振興センターデザイン保全登録審査委員、産業構造審議会意匠小委員会委員、中央大学法学部講師、日本商標協会副会長、等を歴任。
著作権法学会会員
デザインと法協会会長
主な著書
「サービスマーク」(有斐閣、共著)、「商標の法律相談」(青林書院、共著)、「不正競争の法律相談」(青林書院、共著)、「商標・意匠・不正競争」(青林書院)、「判例百選」(有斐閣)、「意匠法コンメンタール・新版」(勁草書房 編著)、「33のテーマで読み解く意匠法」(勁草書房)、「設計図の保護」(パテント)、「私と大学との関わり」(パテント)、「デザイン保護雑感(デザイン産業の視点から)」(パテント)、「デザインによる知的資産経営」(発明・連載)をはじめとする専門誌の執筆・寄稿などの実績も多数。
現在の所属
弁理士法人レガート知財事務所
http://legato-ip.jp/

コラム バックナンバー

2024/02/21

イチゴ「あまおう」の商標権と育成者権

福岡県産のイチゴ「あまおう」。しっかりと商標登録をして、農産物ブランド化の成功例として採りあげられることもしばしば。スーパーでは、それなりのブランドである「とよのか」等よりも高い値段で売られています。・・・

2023/12/27

東海道新幹線再生アルミ

2023年の鉄道記念日(10月14日)に、ミズノから、東海道新幹線700系車両の再生アルミから製造されたバットが発売されました。東海道新幹線再生アルミを約95%使用したものです。1400本の販売本数は、ほとんどが予約で売り切れたとのこと。・・・

2023/10/20

著作権は難しい

今年9月13日の朝日新聞夕刊に、「北斎の代表作そっくり」というタイトルで、北斎の「神奈川沖浪裏」(1831年頃作)が武志伊八郎信由の「浪に宝珠」(千葉県いすみ市の行元寺の欄間、1809年作)にそっくりだという記事が掲載されていました。・・・

2023/08/24

有名な杜氏さんの、氏名の使用を巡る闘い

先日、北陸へ旅行しました。富山では、路面電車とガラス美術館(熊研吾さんデザインの木材を多用した開放感に溢れる建物)を楽しんだ後、知人に教わった居酒屋で一献。日本酒の瓶がずらりと並び・・・

2023/06/21

「朔北カレー」VS「サクホク」

本件は、本願商標「朔北カレー」(指定商品:レトルトパウチされた調理済みカレーなど)が引用商標「サクホク」に類似する判断した審決に対する、審決取消訴訟です。審決は、本願商標の構成中「「朔北」の文字は「北。北方。」等の意味を有する語であるものの・・・

2023/04/17

「ホストクラブにおける飲食物の提供」と「インド料理の提供」は類似する

この判決を読んだ第一印象は、「なぜ?」。食事をしようと思う人は「ホストクラブ」へは行かないし、ホストと遊びたい人は「インド料理屋」へは行かない。需要者は違うだろう。「ホストクラブの提供」という役務指定が認められていれば、こんな事件は起こらなかった・・・

2023/02/24

大間沖で捕れなくても「大間まぐろ」?

「大間まぐろ」といえば、大間沖、津軽海峡の荒波の中、漁師が一本釣りで大きなクロマグロと格闘する様子を目に浮かべる人も多いと思います。大間漁港に行くとマグロのモニュメントがあり、荒波を背景に記念撮影をする観光客も多くいます。そして、初セリでの高値・・・

2022/12/20

事務所離脱後の芸名の使用

タレントは芸能事務所に所属して活動する。その場合、多くは、芸名の使用権は芸能事務所に帰属する旨の契約が締結され、その芸能事務所を離れた場合は、その芸名を使用できないものとされています。例えば、能年玲奈がその名前で活動できなくなり・・・

2022/10/13

鉄道150年と「つばめ」の盛衰

今年は鉄道150年。1872年に新橋(汐留)・横浜(桜木町)間に、日本最初の鉄道が開通。開業式が行われた10月14日は鉄道の日とされています。JRでは、下のようなマークを用意しているのですが、余り見ませんね。・・・

2022/08/24

権利のない「著作物」とのつきあい方

峯の仲間に鉄道写真家がいます。彼は、著作権を相談できる人をネットで検索して峯の事務所に来たのですが、ラッキーなことに峯は「鉄」。意気投合して長いつきあいになっています。その人は、書籍の企画などもしており・・・

2022/06/16

意匠における「先使用権」令和2年(ワ)第11491号 意匠権侵害差止等請求事件

本件は、意匠権侵害の訴訟において「先使用権」が認められた事案です。格別新しい判断が示されているものではありませんが、意匠における先使用権の認定事例として紹介します。また、原告は、いわゆる「100円ショップ」の商品を開発する企業です。・・・

2022/04/13

指定商品「フランス製の被服」と使用商品との同一性が争われた事案

本件は、登録第5623868号の商標(以下「本件商標」という。)に対する、不使用取消審判に関するものである。本件商標は「IRO PARIS」であって、審査において4条1項16号を理由とする拒絶理由通知を受けて・・・

2022/02/21

商品形状の著作権による保護

商品の形状と著作権との関係について、気になる判決を紹介します。令和3年6月24日の大阪地裁判決です。 この事件において原告は、被告商品は以下に示す「原画」の複製であると主張しましたが・・・

2021/12/17

部分立体商標と位置商標

令和2年の商標法施行規則4条の3の改正により、立体商標の出願において実線と破線との書き分け(以下「部分立体商標」という。)が許容された。店舗や内装の保護の強化を目的としたものとされているが、これらに限られず・・・

2021/10/12

音商標「マツモトキヨシ」

6月のコラムで、特許庁における他人の氏名を含む商標(4条1項8号)の審査が厳格化され、氏名を含む商標の登録が事実上排除されていることを記しました。その後、音商標「マツモトキヨシ」の登録を認める知財高裁の判決が出され、マスコミでも報道された・・・

2021/08/13

「京都市立芸術大学」と「京都芸術大学」(その後)

本コラム2019/10/18で、公立大学法人京都市立芸術大学(原告・控訴人)が学校法人瓜生山学園(被告・被控訴人)に対して、京都芸術大学の名称使用の差止めを求めて訴訟を提起したことを紹介しました。この訴訟は2020年8月27日に判決が出され・・・

2021/06/15

デザイナー名などの商標登録雑感

「氏名ブランド商標登録 数年前はできたのに/知的財産 国はどう守るつもりか」(後藤洋平)というタイトルの記事が掲載されています。「デザイナーの氏名を冠したブランド名が近年、特許庁の判断で登録できない状況が続いているという記事を・・・

2021/04/14

「組立家屋」に係る意匠権は在来工法の「家屋」に及ぶのか

昨年4月1日より、改正意匠法により建築物が意匠登録の対象になりました。従前「組立家屋」という運搬可能な「物品」としてのみ意匠登録が認められていた「家屋」ですが、不動産としての建築物も意匠登録の対象になったのです。・・・

2021/02/19

著作物における「アイデア」と「表現」
(金魚電話ボックス事件)

原告作品は、現代美術家の山本伸樹氏(原告)が1998年に制作、発表した「イメージ」と名付けられた作品であり、被告作品は、金魚の名産地として知られる奈良県大和郡山市に2014年2月22日から2018年4月10日まで設置された・・・

2020/12/16

三セク鉄道の共同企画「鉄印帳」

「鉄印帳」をご存知でしょうか。御朱印集めがブームになり、「御朱印帳」片手に神社仏閣を巡る人が多く見られます。これにヒントを得たのが「鉄印帳」。発案者は、第三セクター鉄道・くま川鉄道の永江友二社長。・・・

2020/10/12

‘うどん県’の「うどんタクシー」

「貸し切りタクシーで香川県の讃岐うどん店を案内するサービスで、「うどんタクシー」の名前を使われて商標権を侵害されたとして、同県琴平町の「琴平バス」が高松市の「空港タクシー」を相手取り、商標の使用禁止などを求める訴訟を高松地裁に起こした。・・・

2020/08/24

商標「白クマ」と商標法26条

夏、暑い、アイスクリームだ、かき氷だ。アイスバーの「白くま」を食べながら、ふと思い出したのが商標「白クマ」を巡る事件。20年以上前の事件ですが、商標法26条を巡る役に立つ判決だと思われ、最高裁HPに収録されていないようなので、紹介します。・・・

2020/06/17

「八ッ橋」創業年の争い

6月10日、創業年の表示を巡る京都「八ッ橋」の老舗同士の訴訟に判決があった。「井筒八ツ橋本舗」が、「聖護院八ツ橋総本店」が元禄2(1689)年創業と商品などに表示しているのは根拠がなく、消費者を誤解させるなどと主張して・・・

2020/04/16

「高輪ゲートウエイ」駅

2020年3月14日、山手線、京浜東北線に「高輪ゲートウエイ」駅が開業した。山手線では1971年開業の「西日暮里」駅以来、京浜東北線では2000年開業の「さいたま新都心」駅以来の新駅開業となる。田町駅と品川駅の間に位置し・・・

2020/03/04

「新開発商品の名前」と商標、そして普通名称

先日、「井上ひさし ベストエッセイ」(ちくま文庫)を読んでいたところ、以下の文に接しました。「西洋の造語の名人のことは知らないが、暇潰しに講談社の『医科大辞典』を読んでいて、ガブリエッロ・ファビロというイタリアの解剖学者に遭着した。・・・

2019/12/18

藩校の名称と商標権

今回のコラムを書くためにネットで探していたら以下の記事に出会いました。
「弘道館」の商標無効求める・・・
 幕末に大隈重信らも学んだ佐賀藩の藩校・弘道館の名称を巡り、佐賀県は(11月)21日・・・

2019/10/18

「京都市立芸術大学」と「京都芸術大学」

京都造形芸術大学(学校法人瓜生山学園)が「京都芸術大学」への名称変更予定を発表したところ、「京都市立芸術大学」が抗議し、 京都市立芸術大学が、「京都芸術大学」の名称の使用を差し止めを求める訴訟を提起したようです。・・・

2019/08/14

商標登録・意匠登録があるのに不競法・著作権での請求なのか
(イッセイミヤケの「バオバオ」)

本件は、原告商品を販売する株式会社イッセイミヤケとそのデザインをした株式会社三宅デザイン事務所が、被告商品の販売差止め、損害賠償などを請求し、請求がほぼ認容された事案です・・・

2019/06/17

「大相撲」は商標としてどうなっているのか?

■ オリンピックのアンブッシュマーケティングの声が高い中、日本国民足下の「大相撲」は、商標でどのような状況なのだろう、とふと思い立ち・・・

2019/04/16

識別力の弱い商標の管理

平成 30年 (ワ) 4954号 損害賠償請求事件 大阪地方裁判所 平成30年3月14日判決
今回は、標記事件を取り上げて、識別力の弱い商標の管理について考えてみたい。・・・

2019/02/08

「ルイ・ヴィトン」標章不競法事件

事案の紹介 原告(被控訴人。以下「原告」という。)であるルイ・ヴィトンが、自社の中古品を購入してその一部(標章部分)を利用したいわゆる「リメイク品」を販売していた被告(被控訴人。以下「被告」という。)に対して・・・

2018/12/14

「列車愛称名」と「みどりの窓口」

■ 列車愛称名「のぞみ」「はやぶさ」「かがやき」などの新幹線の列車をはじめとして、JR各社では優等列車の全てに「列車愛称名」(以下「愛称)」が付けられています。愛称によって、・・・

2018/10/11

意匠法改正議論と立体商標

■ 「デザイン経営」宣言 経済産業省・特許庁は、本年5月23日、「産業競争力とデザインを考える会」の報告書として、「『デザイン経営』宣言」を発表しました。この報告書では、デザインを活用した「デザイン経営」は・・・

2018/08/14

商標って何なのか?-ちょっとラジカルな備忘録-

■ 商標は目印 商標は目印だ。これには誰も異存はないでしょう。 では、「何の」目印なのだろう。 全く同じ商品を二つ用意して、一方には商標を表示せずに、他方には商標を表示して販売すると商標を表示した方がよく売れる、・・・

2018/06/15

並行輸入における「品質の同一性」

久しぶりに並行輸入に関する判決が出されたので、そのさわりを紹介します。・東京地判 平成28年10月20日 平成28(ワ)10643・知財高判 平成30年 2月 7日 平28(ネ)10104   商標「NEONERO」・・・

2018/04/13

「地域団体商標」は、意味を伝えることが重要

沖縄県工芸振興センターでの知財セミナーでお話しをする機会がありました。このセンターでは紅型をはじめとする伝統工芸の職人になるための講座があり、そこの卒業生を対象としたセミナーです。・・・

2018/02/20

明治時代の商標

ふと思い立ち、商標登録第1号を検索した。以下が公報です。4件全て、明治17年10月1日の出願、登録日は明治18年6月2日。商標条例は、明治17年6月7日に公布され10月1日に施行されたので、これらは施行日に出願されたものです。・・・

2017/12/04

商標はどこまで拡がるのか(トレードドレス)

今、特許庁では「トレードドレス」というものを商標登録の対象とするかどうかを検討しているようです。いわゆる「新しいタイプの商標」を議論した際に、「トレードドレス」も検討の対象となっていましたたが、新しいタイプの商標を審議した場では・・・

2017/10/17

「商標マルチ機能論」に対する疑問

9月に開催された日本商標協会年次大会で、土肥一史先生が「商標的使用論 VS 商標マルチ機能論」というタイトルで講演をされた。講演の骨子は、商標的使用を出所表示機能にのみ限定する解釈では商標の保護として狭きに失し、「ブランド」を・・・

2017/08/09

「ブランド」についての若干の整理

「商標」と「ブランド」は同じではない、ということは皆さん理解ないしは感じていることと思います。では、新聞記事などでしばしば接する「A社はこのたび新しい『ブランドα』を立ち上げた。」という表現をどのように感じますか。・・・

2017/06/16

中国で「ブランドデー」を制定

中国では、5月10日を「中国ブランドデー」に制定したとのこと。以下、「人民網日本語版」2017年05月10日からの引用です。・・・

2017/04/12

すすきのジンギスカン

先日、特許庁(実施主体はINPIT)の「窓口支援強化事業」で札幌へ。相談案件を終えて解放され、「すすきの」で海産物系の夕食。その後、軽くジンギスカン。峯は、まだ「ラム」がなく「マトン」が臭いといって毛嫌いされていた頃からの羊好き・・・

2017/02/17

映画「沈黙」がふたつ

先日、映画「沈黙‐サイレンス‐」(監督:マーティン・スコセッシ)が公開され、初日に見てきました。偶然にも、翌週、地元の早稲田松竹で篠田正浩監督の「沈黙 SILENCE」(1971年) が上映されており、仕事を抜け出してみてきました。・・・

2016/12/14

「観光列車」と商標

昨今、「観光列車」がおおはやり。「観光列車」の定義はないが、「観光客を対象とした車両を用意し、観光客に移動時の楽しさ・満足を与えるサービスを提供する列車」という程度に理解してよいでしょう。・・・

2016/10/19

時代と知的財産

法学部で学んだ人は、民法の初期の段階で「桃中軒雲右衛門事件」(大審院大正3年7月4日判決)と「大学湯事件」(大審院大正14年11月28日判決)とを学んだことと思います。・・・

2016/09/01

自己の登録商標を使用していたのに「侵害」

今回紹介する事案は、自己の登録商標を使用していたにもかかわらず、「侵害」が成立し、しかも過失の推定が適用されて損害賠償請求が認められた事案です。・・・

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